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教育・福祉

教育について思うこと⑮

明日は、センター試験が始まるそうです。受験生の皆さん、頑張ってください。というわけで、久々に教育について思うことを。

昔、大学で「一般教養(地理)」という科目を担当していたことがあります。あまりにも地理の知識がない学生が多くて驚いたのですが、実はここ30年ほどの間、地理は高校の必修科目ではなかったのだそうです。それでは仕方ないですね。文部科学省の中央教育審議会で2022年度から「地理総合」という必修科目が生まれることになったそうで、少し安心しました。

最近は、直ぐに役立つ科目や資格が人気で、学校でもそういうものを売り物にしているところが多いのですが、役に立つかどうかという観点で見たとき、地理は間違いなく役に立つ科目だと言えます。たとえば、会社員になれば、取引先、営業先、出張先、ターゲット顧客の居住地、店舗の立地場所選定など、様々な空間的情報処理が要求される場面に遭遇します。つまり、「何がどこにある」という知識が必要です。地図を描いて他者に説明したり、地図を使って移動したりする必要に迫られることもあります。また、地図を描くにしても読むにしても、ある種の世界観が反映されていますから、それを理解することは、自己と他者を意識し、多様な人間と社会で構成された世界を認識することに役立ちます。

グローバル時代に他国の事情を理解し、日本の事情を知る必要性は高まっています。地域の防災を真剣に考えなければならない時代でもあります。30年以上、地理が手薄になってしまった我が国の高校教育で、もう一度地理を必修にすることは大変喜ばしいのですが、それを教える教員が足りているのかどうかは疑問です。

教育は、長期的な設計が非常に大切な分野だと、あらためて地理教育を考えたときに思うのです。

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